デビュー戦 2

試合のチケットは苦労しながらも何とか売り切ることが出来ました。ただ、定価で販売していたわけでは
なく、かなり安い値段で販売をしていたので、手元に残った御金は微々たるものでした。

試合に向けての練習も、順調とはとても言えるものではありませんでした。
丁度同じ時期に私と同じ位の階級の先輩も試合が決まっていました。その先輩の対戦相手は
後に世界チャンピョンとなる、アマチュアから鳴り物入りでプロに転向した選手でした。

私の先輩もまたジムのスタッフもかなり気合が入っていました。
スパーリングもその先輩の練習スケジュールに合わせるという感じで行いまして
連日かなりハードなスパーリングが続きました。
そんな時にスパーリングで左目を負傷してしまいまして、試合前にスパーリングが出来なくなって
しまいました。
デビュー戦という事でかなり不安になりまして試合の二週間ぐらい前に当時私を指導してくれて
いましたトレーナーにその旨を話したところ、「お前は毎日走っていたから大丈夫だ」の一言で
した。
結局、試合前の一ヶ月で行いましたスパーリングは14ラウンド、一日2ラウンドで7日やっただけでしたが
スパーリングの回数が少ないという不安は試合前全然なかったです。


デビュー戦を控えた選手はとかく不安になります。私が指導していました地方のジムですと
練習生自体が少ない為に普段からスパーリングがあまり出来ないので、試合前は
その事についても不安を口にする選手が多かったですがそんな時はいつもこの話を
していました。
ただ、みんな信じていなかったですが。
 
そんなこんなで、デビュー戦当日を迎えました。
当時は今とは違いまして、計量は試合の日の朝に行いました。
私のいたジムでは、計量は当時のマネージャーの運転する車で行っていました。

計量は後楽園ホールで行います。普段ですと計量が終ってから
コミッションドクターの検診があるのですが、その日は急患が入った為に
検診は試合の前に行われる事になりました。そのような訳で食事はすぐに
取れる事となりました。


計量後は近くのビジネスホテルに移動して食事を取るのですが
私のいたジムでは計量後に飲むスープを会長の奥様が作ってくれていまして
それを飲んだら、満足してしまって、計量後の食事も、本に出てくるような感動的な
美味しさは無かったです。
今にして考えればそのスープは家庭用のスープの素に細かく刻んだ肉、野菜などが入った物だったのですがとても美味しい物でした。

多分、味にこだわりのある方なら、笑ってしまうようなスープかもしれませんが
身体にいいとか、悪いとか。美味しいとか、不味いとか。そういう次元の話には
関係なく、私には、心に残る思い出の味です。
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by fukui-curry | 2009-03-05 10:48 | ボクシング


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